なぜ無実の人が自白するのか
2009年 03月 14日
「米国では、罪を自白した人が後にDNA鑑定や真犯人の登場などで無実と判明した例が71年ー02年に125件あります。81%が殺人で、起訴されて有罪となった事件では43%が死刑か終身刑でした。・・・疑われた人は「この場から一刻も早く逃れたい」という気持ちにかられ、「捜査官のシナリオを受け入れることが唯一の道」と考えるようになります。疲れ果て「覚えていないが、自分がやったのだ」と思い込む例があります。・・・そして実際には、虚偽自白と判明した事件の裁判の8割で陪審が全員一致で有罪判決を下しています。だからこそ、自白に至るまでの全過程を録画し、陪審に見せることが大切です。自白の部分だけを録画したのでは「結果」を示すだけで「自白が信用できるものかどうか」の判断材料にはなりません」。
ところが、日本では、自白部分だけの録画にとどまり、検察は「全過程の録画」に絶対に反対しています。しかも密室での長時間の取調べも変らないとしますと、隠れた「誤判」が出るおそれは、アメリカよりも大きいといわざるをえません。全面録画を初めて法制化したイリノイ州知事の英断に学ぶべきでしょう。さらに、イリノイ州知事は、誤判の原因が解明されるまでは死刑執行を停止することまで決断したといわれています。