加藤周一氏から学ぶもの
2009年 03月 13日
最近、「9条の会」が発行している『加藤周一が語る』という小冊子を読む機会がありましたので、改めてその思想の一端に触れ、今は「遺言」となった加藤周一氏の独特の語り口から、憲法9条にかかわる以下の2点を学ぶべきものと実感しました。
「外交的な方法じゃなくて、軍事的な力を使って問題を解決しようというのは、私はあまりうまくないと思うんですよ。いままではほとんど全部、失敗でした。日本が攻撃されたときに自衛の必要があるのではないかということはよくいわれるけれど、第2次大戦以後は攻撃された例はありません。第2次大戦は日本が始めたわけでしょう。その結果、憲法9条ができた。だから、我々は積極的に9条を守ろうと、進めようということを言っているわけです。9条をつくった動機、それは再び戦争をしないということ。それが一番大事です」。
「ナショナリズムが戦争と結びついている。・・・今度の教育基本法は、個人の尊厳より愛国を示唆するわけですね。つまりナショナリズムを煽ることが潜在的に含まれていて、たいへん戦争するのにやりやすいものになりました。・・・戦争が本当にいやならば、そしていやなだけでなくて、本当に戦争しないほういいのだという確信があったら、それを通した方がよい。そして当然、改められた教育基本法にも反対したほうがよい。それから、君が代の強制にも反対したほうがよい」。

