おもねること
2009年 02月 22日
2月22日(日)の朝刊には、偶然でしょうが、「おもねる」という言葉が2度も出てきたことに気づきました。1つは、「声」の欄にあった「権力との対峙 記者に求める」というもので、辞任した中川元財務・金融相に対しても、また森元首相にたいしても、記者たちはなぜもっと鋭く質問し、きちんと対応しないのかと問うた上で、「記者と記事が時の権力や支配層に『おもねる』ようなら、その新聞の存在理由はなくなる」と言われています。
もう1つは、別の「イラク自衛隊派遣24日岡山地裁判決」に関する記事の中に、昨年4月の名古屋高裁がバグダッドを「戦闘地域」とし「多国籍軍の武装兵員を空輸するのは、他国による武力行使と一体化した行動」だと指摘し、この判決が確定した後、24日の岡山での一審判決を前に、全国弁護団の事務局長が、「政府はどんな戦争だったかを明らかにしていない。裁判所は政治に『おもねる』ことなく、見識を示してほしい」と述べた談話が紹介されています。これらは、権力や大勢に「迎合する」ことを戒める趣旨だと思います。
因みに、広辞苑には、「おもねる」(阿る)とは、顔を左右にきょろきょろさせて相手の心に従おうとつとめるという意味から、人の意を迎えてへつらう、こびる(媚びる)ことだとされています。


