裁判員に対する「説明」
2009年 02月 11日
ところが、この点、韓国の国民参与法では、裁判長が陪審員に行う「説明」は公判の開始時と終了時の2回にわたって公判廷で行なわれ、しかもその中に「無罪の推定」や「合理的な疑いを超えた証明」がはっきりうたわれています。これは重要な点なので、2回目の結審の際の「説明」のモデルを引用しておきます。
「・・・わが国の憲法と刑事訴訟法によれば被告人は有罪判決の宣告を受けてその判決が確定するまでは無罪と推定されます。したがって、検察官が被告人の有罪を証明する責任があって、被告人は自分が無罪であることを証明する必要はありません。検察官は被告人が無罪かも知れないと疑うに値する合理的な疑いが残らないほどに被告人の有罪を証明しなければなりません。もし検察官が裁判過程を通じて被告人が有罪という点に関して合理的な疑いがないくらいに証明することができなければ、被告人は無罪と推定され、陪審員の皆さんは被告人を無罪とする評決をしなければなりません。反対に、検察官が、被告人は有罪ということを、合理的な疑いがないほどに証明したと判断されれば、被告人を有罪とする評決をして下さい」。
このような説明は、裁判員の理解が得やすい内容なので、日本の裁判員法でも、是非とも採用してほしいものです。

