仕事を作る
2009年 02月 02日
ただし、自然と研究の範囲も内容も限定されたものとなり、無理をすれば恥をさらし、自分も傷つくことになりかねません。自然体の程よい自制心によって、興味と刺激を長持ちさせることができればと心がけています。
研究のスタイルは人さまざまですが、私の場合は、テーマが決まれば、まずそのテーマに関連する文献や資料の収集に努力します。そして、これらを分類して、できるだけ丹念に読み、それを後で復元できるように準備します。文献は、赤線と付箋だらけとなります。それによって、現在の問題状況を把握することができれば、一応準備は完了です。
次は、論文の執筆の開始ですが、無計画は禁物で、できるだけしっかりした構想を練ることが必要です。問題意識が明瞭であって、それが「はしがき」と「あとがき」に現れるようなものでなければ、読者を動かす力にはならないでしょう。
執筆をはじめたら、自分で納得の行くまで考えながら推敲し、不正確で自信がなければまた文献を確かめるという慎重さが要求されます。全体のバランスも大切で、おおげさにいえば、ひとつの芸術作品を作るのと似ていると思います。
ひとつの仕事が終わりますと、そこからまた次の問題が出てくるので、次の仕事を作ることになり、結局は終わりがないということになるわけです。

