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最近大学を離れ、論考を公表する機会が少なくなってきました。論文として公表する以外の資料や感想文などを公開する場を持ちたいと考え、このブログを開設しました。


by nakayama_kenichi
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人生と出会い

 1月29日(木)の午後2時から、このマンションのホビールームで、雲井昭善先生の講演会がありました。演題は「人生と出会い」ということでしたが、内容は、自分がこれまで歩んで来た道の中で、不思議な「出会い」が何回かあったというものでした。
 94歳とはとても思えぬしっかりとした姿勢とお声で、約一時間、ゆっくりとした口調で語られましたが、聴衆は約60名に達し、椅子が足りないほどの盛会でした。私が司会役を勤めましたが、われわれ高齢者用マンションの入居者にとっても、人生の大先輩であり、かつ日本でも数少ない印度の仏教哲学と古い梵語(サンスクリット)の専門家のお話を直接に聞けるのは、またとない機会でした。
 先生は、京都の大谷大学を卒業して、僧籍に入ろうとしたとき、研究室にとどまるよう指導教授に勧められたのが、印度哲学と梵語の研究へと進む最初の「出会い」であり、それから京大や東大などの研究者との他流試合を勧められて実力を磨き、さらにウイーンに2年間の留学を勧められ、その途中に立ち寄った印度で独特の言葉と文化に触れる機会を得たという数々の「出会い」のおかげで、今日の自分があるという話をされました。
 そして、最後に、古稀のときに、モットーとしてきた3つのC(Comunication Confidence,
Curiosity)をあげられ、そのひとつひとつの重要性を指摘されました。また質問に答えて、黒板に絵のような梵語のいくつかをすらすらと書かれました。「娑婆」は梵語に由来し、耐えるという意味であるとの説明もありました。大きな拍手とともに、次回の予定もお願いして、無事に終わりました。

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by nakayama_kenichi | 2009-01-29 17:04