自衛隊空幕長の本音
2008年 11月 06日
「日本は朝鮮半島や中国大陸に一方的に軍を進めたことはない。わが国は蒋介石により日中戦争に引きずり込まれた被害者である。日本政府と日本軍の努力で満州や朝鮮の現地の人々は圧政から解放され、生活水準も格段に向上した。日本はルーズベルトの仕掛けたわなにはまり真珠湾攻撃を決行した。大東亜戦争後、多くのアジア、アフリカ諸国が白人国家の支配から解放された。東京裁判は戦争責任をすべて日本に押し付けようとした。そのマインドコントロールが今なお日本人を惑わせている。自衛隊は集団的自衛権も行使できない。武器の使用も制約が多い。攻撃的兵器の保有も禁止されている。がんじがらめで身動きができない。このマインドコントロールから解放されない限り、わが国を自らの力で守る体制がいつになっても完成しない。わが国が侵略国家だったなどというのはぬれぎぬである」。
朝日新聞の社説「ぞっとする自衛官の暴走」(11月2日)は、こんなゆがんだ考えの持ち主が、こともあろうに自衛隊組織のトップにいたとは。驚き、あきれ、そして心胆が寒くなると報じました。しかし、もっと問題なのは、麻生首相も浜田防衛相もこの発言を「不適切」とするのみで、本人を懲戒処分にせず(防衛相は減給)、定年退職にして退職金も支給するという事後処理の決定的な甘さにあります。むしろ、政府や防衛省の方が困るような「本音」が出てしまったので、早く収束したいのでしょうが、事態は余りにも重大です。