最近大学を離れ、論考を公表する機会が少なくなってきました。論文として公表する以外の資料や感想文などを公開する場を持ちたいと考え、このブログを開設しました。


by nakayama_kenichi
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2005年 09月 30日 ( 1 )

法制審議会の議事録

 いま、「共謀罪」のことを書く準備として、この法案の原案(要綱)を審議した「法制審議会刑事(国連国際組織犯罪条約関係)部会の議事録を読んでいるところです。この部会は、2004年9月18日から同年12月18日までに5回にわたって行われたもので、議事録の量もそれほど大部なものではありません。しかし、これを読むのは、実に骨の折れる仕事です。
 その最大の理由は、すでに書きましたように、発言者の名前が全部「匿名」になっており、●がずっと並んでいるので、誰の発言か判別できないというところにあります。審議会の委員の名簿と、部会長、部会長代行の名前だけは公表されているのですが、それがかえって想像をかき立てるのか、余計に神経をとがらせ、落ち着かない気分になり、途中で投げ出したくなるのです。
 部会は、表決権のある委員と表決権のない幹事に分かれているのですが、発言は両者とも許されているようです。発言者の名前が伏せられているので、面白い現象が生じることがわかりました。それは、ある委員または幹事の発言の中に、他の委員や幹事の意見などが引用されるときも、その名前を出すことができませんので、「○○委員、○○幹事の意見」というような形で表現されることになり、それがどの人のいつの意見なのかが分からないということで、関連が分からず、迷路に陥ってしまうことです。
 このような「匿名」の議事録では、それが公開されているといっても、それは名ばかりで、審議の内容を正確にフォローすることは不可能です。匿名を顕名にするという当たり前の改革すらも、法制審議会の内部から声があがらないというのは、異常としかいいようがありません。この「匿名の伝統」はいつまで続くのでしょうか。
 
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by nakayama_kenichi | 2005-09-30 22:46