最近大学を離れ、論考を公表する機会が少なくなってきました。論文として公表する以外の資料や感想文などを公開する場を持ちたいと考え、このブログを開設しました。


by nakayama_kenichi
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2005年 05月 31日 ( 1 )

日精協の政治献金

 心神喪失者医療観察法は2003年7月に成立したが、2年後の2005年7月の施行をめぐって、施設等の準備状況の遅れが問題になっている。このまま施行されてしまえば、適正手続の下における「手厚い医療」という本法の大義名分が失われてしまうおそれがある。
 ところで、本法が「金まみれの法案」であるといわれた歴史的事実がすでに忘れられようとしているので、ここで「日精協」(日本精神科病院協会)の政治連盟が本法の立案過程にあたる時期(1999-2001年)に行ったとされる政治献金の内容を再確認しておきたい。
  法務大臣          陣内 孝雄氏(50万円)   臼井日出男氏(10万円)
                  保岡 興治氏(130万円)  高村 正彦氏( 6万円)
  法務政務次官・副大臣  北岡 秀二氏( 30万円)  長勢 甚遠氏(350万円)
  厚生(労働)大臣      宮下創平氏 (100万円)  丹羽 雄哉氏(220万円)
                  津島 雄二氏(100万円)  
  厚生政務次官・副大臣  根本  匠氏(120万円)  南野知恵子氏(連名10万円)
                  鴨下 一郎氏(200万円)  木村 義雄氏(170万円)
  与党PTメンバー      佐藤 剛男氏(100万円)  持永 和見氏(230万円)
                  塩崎 恭久氏(210万円)  園田 博之氏(100万円)
  以上から、献金は、関係する与党議員や歴代の2つの省の幹部に対して系統的に行われていたことが判明する。もっとも、当時の森山法相は、献金があっても正しく法律上の手続によって処理されていると聞いており、法案の審議が影響を受けたことはないとした上で、本法案が国会の附帯決議に基づく国民の要請に応える意味で作られたもので、特定の一団体のために作られたものではなく、改めて調査の必要性はないと答弁していた。しかし、それならば献金は何のために行われたのかという疑問が残る(判例時報1857号21頁以下参照)。
 ともあれ「日精協」の本法に対する評価、および今後の対応に引き続き注目して行かなければならないことは確かである。
            
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by nakayama_kenichi | 2005-05-31 11:09