最近大学を離れ、論考を公表する機会が少なくなってきました。論文として公表する以外の資料や感想文などを公開する場を持ちたいと考え、このブログを開設しました。


by nakayama_kenichi
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2005年 05月 17日 ( 2 )

 1960年の安保改定時の京大教官有志の活動としては、京大全学教官研究集会の呼びかけ文が残っている。第1回の案内は以下のようなものであった。
 「ご承知の通り5月19日に始まる国会の会期延長、新安保条約の強行採決は、わが国民主主義の前途にとって容易ならぬ事態を作り出しております。私たち大學研究者としましても、学生諸君の動向に無関心たりえませんし、研究や授業の上にも少なからぬ影響が現われていることを無視するわけにはいきません。私たちは、かかる混迷状態が一日も早く解消されることを希望すると同時に、一個の市民としてわが国の民主主義と議会政治の伸張をつよく願うものであります。右のような趣旨から、私たちはつぎの要領で全京大教官の研究集会を開催することに決定しました。この私たちの趣旨には、平沢総長も賛意を表明され、当日は出張中でありますが、「充分論議をつくして現在の混迷状態を打開する一助としてほしい」という意味のメッセージを託されました。どうか奮ってご参加下さるようお願い致します」。
        6月14日 火曜日 午後5時ー7時(時間厳守)
        場所  法経第7教室(法経新館、東側1階)
        報告者    法学部   田畑 茂二郎
                 同     杉村  敏正
  昭和35年6月11日
    発起人  重沢俊郎・園原太郎・織田武雄・鰺坂二夫・姫岡勤・田畑茂二郎・立川文彦
          猪木正道・杉村敏正・宮内裕・松井清・豊崎稔・出口勇蔵・島恭彦・山岡亮一
          堀江英一・岸本英太郎・岡部利良・友近晋・湯川秀樹・小堀慧・宮地伝三郎
          速水頌一郎・小林稔・四手井綱彦・村上仁・西村秀雄・桜田一郎・西山卯三
          大枝益賢・桑原正信・四手井綱英・生島遼一・田村松平・河野健二・桑原武夫
          貝塚茂樹・井上清
 なお、引き続き、6月20日(月)午後5時から法経4教室で、再度の全学教官研究集会を行う呼びかけの案内状も残っていて、当時の有志教授陣の心意気が伝わってくる。
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by nakayama_kenichi | 2005-05-17 11:01
さきに「京大教官研究集会」のことに触れたが、手元に残された資料の中から、当時の動きのいくつかを紹介することにする。
 第1は、1960年の日米安保条約の改定を前にした有志教授の要望書であり、これが時期的には最も早いものである。
 「現在政府の意図している安保条約の改定については、国民の間に多くの疑惑と反対があります。われわれといしては、米ソ間の緊張緩和への国際的努力が高まりつつある現在、わが国もこの傾向を促進する義務があると思います。しかるに安保条約の改定はこの傾向に逆行するものであり、、またわが国のアジアにおける立場にも好ましくない影響を与えると考えられます。他方、安保条約の改定は、国内的には憲法に違反し、軍備の増強をもたらし、これはやがてわれわれ研究者の研究と生活を圧迫することになるおそれも十分にあります。したがって、政府は、この際、改定を強行することなく、慎重に考慮されることを強く要望します」。
 1959年12月12日
         発起人   大枝 益賢    岡部 利良   貝塚 茂樹    桑原 正信
                 河野 健二   小林  稔    重沢 俊郎    四手井綱英
                 島  恭彦    杉村 敏正   園原 太郎    立川 文彦
                 田村 松平    出口 勇蔵   西尾 雅七    西山 卯三
                 宮地伝三郎   井上   清
 なお、この文書はガリ版刷りのものであり、末尾に、ご署名の際に1口10円以上のカンパをお願いしますという添え書きがしてある。学内の教官に回覧されたものと思われる。
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by nakayama_kenichi | 2005-05-17 09:57