天は自ら助くる者を助く
2008年 07月 23日
「私がここで『天は自ら助くる者を助く』という古い言葉を引用したら、皆さんに笑われるかもしれない。しかし、人類は今まさに、自ら助けるか、あるいはいわゆる現実的判断なるものに従って運命の手に自己をゆだねてしまうかの分かれ道に立っているのである。もしも自らを助ける道を選ぼうとするならば、(憲法前文にあるように)諸国民は平和を愛し、互いに公正と信義を信頼して安全と生存を保持しようと決意し、この信頼と決意の上に立って恒久平和への道を歩みだすほかはないのである。そしてまた、憲法9条が非現実的であるどころか、今日すでに、そして将来はなおさら、日本国民が自らを助けるためにとるべき唯一の現実的態度であることが、いよいよ明白になってきたのである。・・・・この18年間、私たち日本人がこの憲法に従って来たことの意義は、決して小さくなかった。それどころか、このことを、人類の自らを助けようとする決意と努力をうながし強化するのに役立たせることができたならば、日本人が、そして日本国民が人類の歴史のなかで大きな役割を果したことになるであろう」。
著者もいわれるように、40年前の湯川博士の真情が、今日のわれわれにストレートに伝わってくることを強く感じます。