最近大学を離れ、論考を公表する機会が少なくなってきました。論文として公表する以外の資料や感想文などを公開する場を持ちたいと考え、このブログを開設しました。


by nakayama_kenichi
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福岡の弁護士の連続書評

 今度も大阪の石川元也弁護士からの情報で、福岡弁護士会所属のある弁護士が、ブログの形式で、ほとんど連日のように、新刊本の要領のよい紹介とコメントを公表されていることを知り、以後興味深く拝見しています。ここでは、7月25日付の、石川義夫著『思い出すまま』(れんが書房新社、2006年)の中から、興味深い指摘を2箇所、紹介しておきます。
 「矢口洪一人事局長は、裁判所の諸悪の根源は、歴代事務総長が最高裁判事に栄進することにあると繰り返し断言した。事務総長が練達の裁判官をさしおいて最高裁判事になることは、裁判に専心している裁判官の間に不満を醸成し、事務総局と現場の裁判官の間に抜きがたい不信感を生んでいる。だから、事務総長には総局以外の者を充てるか、いったん事務総長になた者は最高裁入りをあきらめるかにすべきである。矢口氏の言葉はきわめて説得力のある考え方であると受けとった。ところが矢口氏は、その舌の根も乾かぬうちに、事務次長、事務総長を経て最高裁判事となり、ついには最高裁長官の座を冒すに至った。矢口氏の事務総長就任までの裁判所在職期間37年のうち、裁判所実務経験は合計しても6年あまりに過ぎない」。 「矢口人事局長は、青法協つぶしの先頭に立っていました。・・・・矢口人事局長は、田宮上席教官に対して,『研修所教官の方で、疑わしい連中の試験の成績を悪くしておいてくれれば、問題は解決するじゃないか。何とか考えてくれ』と言った。要するに、青法協所属の修習生の任官を人事局の責任で拒否することをしたくないので、研修所教官の責任で拒否しようというのである。著者は、この件について、矢口氏の名誉を慮って、今日まで他言しなかったが、目的のためには手段を選ばない矢口氏の手法を思うと、もっと早い時期に公にすべきであったと後悔している」。
 この本の著者は民刑事の裁判官、研修所の教官、最高裁経理局の課長まで勤めた人であり、司法界の内情を知る上でも一読に値するものと思われます。なお、本書を含む連続書評は「福岡弁護士会弁護士」と検索するとでききますので、広範な知識を簡便に得る方法として、私もぜひ推薦したいと思います。
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by nakayama_kenichi | 2007-08-03 11:18