官製談合の構図
2006年 11月 17日
マスコミもこの問題をとりあげて、たとえば和歌山では、改革を掲げて当選した若い知事が、再選を果たすために、選挙母体の推進役である建設業界の一部有力者の利益を代弁する方向に傾いて行く過程をフォローしています。
しかし、それが有能な知事だのになぜ「転落した」のかという「官」の側の個人的な姿勢を問うだけに終わりますと、今後の教訓としては、知事の自覚を望むという解決が示唆されるだけに終わる可能性があります。より大きな問題は、建設「業界」や「政界」の側の対応にあり、この方の調査や分析をもっともっと期待しなければなりません。むしろ本質的な課題は、業界が政界と癒着して、官界をも巻き込んで行くという「構図」を具体的に明らかにして行くところにあるというべきでしょう。それは「金」の流れでもありますが、「政治資金」の名において合法化された金が潤滑油になっているように思われます。
業界と政界が変わらなければ、知事が交代しても、また同じ構図が繰り返されるおそれがあります。もっといえば、改革派でない知事ならば、矛盾が表面化せず、よりスムーズに業界の利益が代弁されるということになるでしょう。交代可能性がなければ、権力は腐敗します。選挙のあり方を考えるときが来ています。「世論」がなめられるようでは、まことに不甲斐ないとしかいいようがありません。