政治家と高級官僚
2006年 10月 05日
これが公務員の政治活動の制限(政治資金規正法違反)に該当するかどうかは、今後の法律問題ですが、下級公務員の政治活動に対する厳しい対応と比較して、高級公務員によるこの種の行為には必ずしも厳正な対応がなされてこなかったという傾向がありますので、注意を喚起しておく必要があります。
それよりも重大だと思われるのは、政府与党の政治家と中央・地方の高級官僚とが奇しくも一体となって相互に支え合っているという実態の一端が現実のものとしてあらわれているという点です。国や地方の行政作用は国民全体に奉仕すべきもので、政治的な中立性が要求されるにもかかわらず、実際には、実権をもった高級官僚が決して政治的に中立でなく、実際には政府与党と一体となっているということをあらためて認識する必要があります。大臣や知事など、特別職の公務員には政治活動の制限は及ばないのですが、一般職の公務員との限界をはっきりさせ、少なくとも平等な取り扱いを要請しなければなりません。さらに、財界との癒着にも警戒しないと、「国民主権」の名が泣くことになります。