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最近大学を離れ、論考を公表する機会が少なくなってきました。論文として公表する以外の資料や感想文などを公開する場を持ちたいと考え、このブログを開設しました。


by nakayama_kenichi
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政治家と高級官僚

 最近、我慢がならないことが多いのですが、そのなかでも、10月5日の朝日新聞朝刊のトップに載った「柳本衆議院議員パーティー券・大阪市長室あっせん」の記事は、見逃すことができません。その内容は、「大阪市の市長室秘書部が、元環境総務政務次官で自民党の柳本卓治衆院議員=比例・近畿ブロック=側の依頼を受け、同議員の政治資金パーティ券の購入を市の幹部職員にあっせんしていたことが4日、関係者の証言で明らかになった。10年ほど前から続いており、局長、部長級職員らが1枚3万円の券を毎年数百枚単位で購入していた」というものです。
 これが公務員の政治活動の制限(政治資金規正法違反)に該当するかどうかは、今後の法律問題ですが、下級公務員の政治活動に対する厳しい対応と比較して、高級公務員によるこの種の行為には必ずしも厳正な対応がなされてこなかったという傾向がありますので、注意を喚起しておく必要があります。
 それよりも重大だと思われるのは、政府与党の政治家と中央・地方の高級官僚とが奇しくも一体となって相互に支え合っているという実態の一端が現実のものとしてあらわれているという点です。国や地方の行政作用は国民全体に奉仕すべきもので、政治的な中立性が要求されるにもかかわらず、実際には、実権をもった高級官僚が決して政治的に中立でなく、実際には政府与党と一体となっているということをあらためて認識する必要があります。大臣や知事など、特別職の公務員には政治活動の制限は及ばないのですが、一般職の公務員との限界をはっきりさせ、少なくとも平等な取り扱いを要請しなければなりません。さらに、財界との癒着にも警戒しないと、「国民主権」の名が泣くことになります。
by nakayama_kenichi | 2006-10-05 16:16