信者に訴えられた牧師
2006年 07月 18日
牧師も人の子であり、宗教活動にも心の救済という精神的な側面のほかに、教会の経営という経済的な問題を伴うものであることは理解できるのですが、それにしても、神に仕える教会の牧師が信者の弱い立場を利用し、不正な手段を用いて財産的な被害を与えることが許されてよいはずがありません。今後さらに、同様な被害が広がるおそれもありますので、どんな手法なのか、参考までに一部を紹介しておきます。
第1は、アメリカの英語留学先への「ホームステイ・プログラム」の斡旋業務の中で、諸経費として送金させた金額をプールしてそのまま「横領」してしまうという類型です。教会のホームページを信頼して送金した信者は、諸経費の二重払いを余儀なくされました。
第2は、被害者を副牧師に任命して自分の管理下におき、副牧師の職責の遂行であると錯誤させて、いつでも返済するから、教会のために所持する金銭を拠出し、さらに銀行ローンからの貸付金、生命保険からの借入金まで交付させるという「詐欺」にあたる行為類型です。
第3は、この牧師が運営する神学校で取得した単位は全米の神学校でも認められるという虚偽の記載を信用して授業料を支払った信者が、アメリカの大学に留学した際に単位を認められず、既得単位認定の利益が奪われるという被害を受けたという「詐欺」のケースです。
なお、この牧師は自分にしたがわない信者には陰陽の圧力をかけ、最近は長期旅行と称してアメリカに出かけ、所在不明という状況にあるとのことですので、この種の社会問題を是正するための法的措置が成功するかどうかは楽観を許さないものがあります。