最近大学を離れ、論考を公表する機会が少なくなってきました。論文として公表する以外の資料や感想文などを公開する場を持ちたいと考え、このブログを開設しました。


by nakayama_kenichi
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巧言令色少なし仁

 これは、「論語」に出てくる格言で、言葉を飾って巧みに、口先でうまいことをいうだけで、そこには仁の心(いつくしみ、思いやりの心)が少ないということを説いたものです。
 最近の「ライブドア」騒ぎに対する小泉首相や自民党の幹部の対応を見ていますと、あの絶頂期の得意満面な高笑いと今回のとぼけた仏頂面との間に、対照的にしかし共通して流れているものが「巧言令色」そのものではないかという思いを深くせざるをえません。
 小泉改革といわれるものが、国民の一部に夢と希望のようなものを与えたことは事実でしょうが、それが基本的に誰の利益に奉仕するものであるのかを冷静に考えますと、それは巨大な政治献金と引き換えに「財界」の利益を保障しようとするものであるといわざるを得ません。小泉改革は、古い特権的な派閥や族議員の独占体制にメスを入れたかに見えますが、政官財の癒着構造はよりスマートな形を整え、よりゆるぎないものになりつつあります。郵政民営化もその例外ではなく、新しい郵政会社の幹部には財界人が顔を並べていることが、そのことを徴表しているように思われます。
 国民の甘い期待は、次々に裏切られることになり、気がついたら大変なことになるおそれがあります。表面的には華やかな消費文明の中に埋没しているうちに、憲法9条も危うくなり、新しい総動員体制に組み込まれるおそれも決して杞憂ではありません。一国の総理大臣が堂々と靖国神社に参拝してはばからないというのは、何といっても異常であります。これを「言葉」で巧みに合理化しようとするところに、無辜の戦争犠牲者に対する「思いやりの心」の無さが透けて見えてきます。それは、勝者にはエールを送るが、敗者になれば見捨てるという冷たい心情にも現われています。保守政治家の中でも、せめてもう少し正直で、慎重で、良心的な配慮の見られる後継者の登場を期待したいものです。
 
 
 
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by nakayama_kenichi | 2006-01-25 17:22