最近大学を離れ、論考を公表する機会が少なくなってきました。論文として公表する以外の資料や感想文などを公開する場を持ちたいと考え、このブログを開設しました。


by nakayama_kenichi
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福島原発「レベル7」の怪

 今回の福島原発事故の規模について、経済産業省原子力安全・保安院と原子力安全委員会は、4月12日午前、これまでに放出された放射性物質が大量かつ広範にわたるとして、国際的な事故評価尺度(INES)で「深刻な事故」とされる「レベル7」に引上げたと発表しました(朝日新聞4月12日夕刊)。しかし、その経過と内容には、疑問と不明な点が残されています。
 原子力安全・保安院は、3月11日の事故直後には暫定評価で「レベル4」の程度にあるとし、福島原発事故はチェルノブイリ原発事故とスリーマイル島原発事故の中間にあるとしていたのですが、18日にはスリーマイル島に匹敵する「レベル5」に引上げたのです。しかし、その段階で、「レベル5」に引上げた理由が明らかとはいえません。
 それが今度は、4月12日になって、「レベル7」に引上げられ、福島原発事故がチェルノブイリ原発事故と同じ最悪の「レベル7」と暫定評価されることになったというのです。新聞の解説では、「レベル7」の判定基準が数万テラベクレル以上の放射能の外部放出であるのに、福島第1の放出量は37万~63万テラベクレルに達していると推定されたからであるといわれ、これでもチェルノブイリの1割程度であるといわれるのです。
 私の素朴な疑問は、福島原発の放射能排出量がチェルノブイリの1割と言われながら、それが「レベル7」の判定基準の10倍近くの量にも達していることが全く言及されていないという点です。その上に、福島原発の放射能漏れはまだ続いていて、どこまで広がるのか予測もつかないという点にこそ重大な問題があります。
 原子力安全・保安院は、現状の調査の正確なフォローとともに、今後の見通し(最大限と最小限の幅を含む)についても、速やかに情報を開示すべき責任があります。
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by nakayama_kenichi | 2011-04-13 14:04