民法改正反対意見
2011年 03月 02日
「法制審議会民法部会は、“行政機関職員を審議委員にしない”とする平成11年の閣議決定に違反している。さらに民法のユーザーである民間出身の委員が4分の1以下であり、また、異論を有するであろう者を排除する等、審議会の構成としての公正さに欠けるところがある」(法律時報83巻3号74頁)。
そこで、さっそく問題の「閣議決定」を参照しましたら、たしかに「審議会の整理合理化に関する基本計画」(平11・4・27閣議決定)の「指針」の中に、審議会等の委員の選任について、「府省出身者の委員の任命は、厳しく抑制する。とくに審議会の所管府省出身者は、当該審議会の不可欠の構成要素である場合、または専門的な知識経験から必要な場合を除き、委員に選任しない」という指摘が現にありました。この点からすると、今回の法制審議会・民法部会の委員構成は、反対論者を排除したもので、「手続の公正を欠く」という批判が当たっています。
ところが、このような「官僚的」手法は、法制審議会の刑事法部会では、もっと公然とした形で横行していることに注目しなければなりません。たとえば、「危険運転致死傷罪」の立法過程(平成13年)での「法制審議会刑事法部会」の委員16名のうち、法務省(検察)、警察庁に関係する5名(幹事は8名のうち4名)が「府省出身者」で占められており、したがって議事も「事務当局」の主導で行われることが当然視されてきているのです。これは、上記閣議決定の重大な違反として警鐘乱打されなければならないところであり、この点を見逃して来た刑事法学者の自己怠慢も反省しなければなりません。
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3月3日雛人形(マンション内)