最近大学を離れ、論考を公表する機会が少なくなってきました。論文として公表する以外の資料や感想文などを公開する場を持ちたいと考え、このブログを開設しました。


by nakayama_kenichi
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検察の「民主化」

 たびたび問題にされて来た大阪地検特捜部の不祥事については、一方では、最高検による捜査による関係者の起訴と懲戒解雇処分によって、筋書き通りに裁判でも有罪が確定して一件落着という見通しもありますが、そのように事が運ぶかという問題も残っています。
 そして、他方では、この機会に、このような不祥事の再発を防ぐために、特捜部を含む検察制度じたいの在り方を検討する動きとして、柳田稔法相が11月4に、法相の諮問機関である「検察の在り方検討会議」(座長・千葉景子前法相)のメンバーを発表したことが伝えられました(朝日新聞11月4日夕刊)。法曹三者のOBやジャーナリストなど、外部有識者の委員は14人で、特捜部の存廃を含む捜査手法や組織について、議論を進める方針で、第1回の会議は10日に開かれる予定とのことです。
 委員の人選については、外部有識者も入れていますが、依然として法曹三者、とくに判事・検事のOBが多くて、学者が少なく、しかも法務省が委員を人選し事務局を担当するという、従来の審議会のパターンの中では、とても「抜本改革」の提案は望めないように思われます。
 この点では、むしろ関西学院大學の川崎英明教授が最近寄稿された「検察官の役割・警察の監視と公判専従に」という提案に注目すべきでしょう(朝日新聞11月5日)。そこでは、戦後当初の司法制度改革の中で現在の検察制度が形成された歴史的な経過を前提として、「検察の民主化」が不徹底であったがために、現在のような密室での取調べと供述調書に依存する刑事裁判の構造ができたのであり、そこに戦後検察の病弊が見て取れるとした上で、この好機に、「検察の民主化」のための改革を根本的に見直してはどうか、そして、具体的には、検察官は法律家の観点から警察の捜査をチェックし、公判に専従する機関にしてはどうかという提案をされています。このような人こそ、上記の検討会議のメンバーに入れるべきでしょう。
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by nakayama_kenichi | 2010-11-07 10:15