金沢時代の回想
2010年 10月 07日
その中でも、当時法学部の学生であったH君とは、いまでも親交が続いており、去る9月26日の午後、当時の若手教員で現在は関西の大學に奉職しているB氏とともに、拙宅を訪れてくれ、懇談する機会がありました。北陸大學の現状やかつてのスタフの消息などを尋ねているうちに、金沢で過ごした当時が懐かしくなり、その後長らくご無沙汰している金沢に一度行ってみたいと思うようになりました。諸般の事情から、法学部の多くの若手教員が他の大学に再就職しましたので、できれば、OB会を来春にでも開くことができればという話にまでなりました。
私は、北陸大學に在籍中も研究生活を続行しており、何冊かの著書を出版していますが、その中でも、北陸大學の学生を念頭において、刑法のやさしい入門書を書くことを計画し、それが『刑法入門』(初版1994年、成文堂)として出版されています。その初版の「あとがき」に以下の記述があります。「なお、本書の初稿段階で、北陸大学法学部の1・2年生の数名の学生諸君に通読してもらい、感想と質問を聞き、理解困難な点についての指摘などを参考にして、必要な補正を加えた。これらの学生諸君の協力に感謝する」。
そして、上記のH君はその学生諸君の中の世話役であったわけです。間もなく、『刑法入門』の「第3版」が刊行される予定になっていることも、金沢の北陸大學在籍時代を偲ぶ一つの契機として、H君達とともにその喜びを分かち合いたいと思っています。(「第3版」は10月20日付けとなっており、私は10月8日に現物を入手しました)。