時期遅れの彼岸花
2010年 10月 04日
「彼岸花」とは、ヒガンバナ科の多年草で、中国から稲作用の土とともに運ばれてきたもので、毒性を含んでいるため、野ねずみや虫よけのために、田んぼや畦道に植えられたという由来が記録されています。そういわれれば、子供のとき、田舎の田んぼやあぜ道によく見かけたことを思い出します。
一見、可憐な花に見えるのですが、墓地などの薄暗い湿地にもよく見かけるところからも、むしろ冷たく不吉な印象をあらわす「しにびとばな」「じごくばな」「ゆうれいばな」「きつねばな」「かみそりばな」などといった別名がつけられているのは、彼岸花にとって気の毒な感じがします。
一方、彼岸花は、「曼珠沙華」(まんじゅしゃげ)とも呼ばれますが、これは仏典に由来するもので、白く柔らかな花が吉兆を予言するかのように地上に舞い降りて来る「天上の花」を意味します。これは彼岸花の華美でロマンチックな側面あらわしています。そして、現に白い彼岸花も存在し、全国的に、彼岸花の群生地として知られる有名な観光スポットが多く紹介されています。滋賀県にも高島市の周辺に群生地があるとのことです。
この「妖しい花」といわれる「彼岸花」に、新しい興味を持ちました。また来年も再会したいと思います。
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小川のほとりの「彼岸花」