医療事故の刑事判例
2010年 08月 23日
この本の初版は、すでに18年も前に、泉正夫=中山研一編『医療事故の刑事判例』(1983年、成文堂)として出版され、10年後の1993年には第2版(改訂版)も出ていたのですが、そのままになっていたものを、今回掘り起こし、その内容を全面的に見直し、一新する目的で企画されたものです。
私自身も、すでに定年後の後期高齢者ですが、今回は、編者として、亡くなられた泉正夫博士に代わって、この分野では今や文字通り第1線で活躍中の甲斐克則さん(早稲田大学法科大学院教授)の全面的な協力を得ることができました。各項目を分担して頂いた執筆者の皆さんに対して、そしてとくに、これらを全体的にまとめる役割を果たして下さった甲斐教授に対して、心から感謝の意を表します。
本書は、すでに早い段階から、とくに泉正夫博士(1920年生まれ、阪大法医助手、京大大學院で刑事訴訟法を研究、内科医、1997年没)の強い信念と情熱に支えられて誕生したものであるという経緯からも、私にとって印象深いものがあります。そして、本書が埋もれることなく、新版としてよみがえったことは、何よりも泉博士の学恩に報いる道であり、同時に私自身の研究にも継続性をもたせることができた点でも、意義深いものがあると実感しています。
本書が、医療事故にかかわる刑事判例の分析を通じて、医療事故に対する刑事責任のあり方と、とくにその限界を明らかにする視点を提供することができれば、幸いです。
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