オヤジ狩り事件国賠訴訟
2010年 06月 14日
この事件では、3人の少年が犯行を自供し、2人の成人男性も巻き込まれたのですが、審判や裁判の結果は、家裁でも「不処分」、地裁でも高裁でも「無罪」となって、5人とも完全な「冤罪」であることが確定したものです。
ところが、無罪判決後、警察からも検察からも一言の謝罪もないので、不当な逮捕・勾留、苛酷な取調べを受けた5人の少年・青年たちが、警察・検察に、まずは謝罪を求め、警察・検察などの国家権力による暴力的な取調べの実態を明らかにすることを求めて、「国家賠償」を請求する裁判を起こしたのです。
現在、裁判は進行中ですが、この過程で明らかになったのは、まず、2人の少年が、「怒鳴られたりしなかったら否認を貫けた」「刑事さんに胸倉をつかまれて首を絞められた」と訴えているのに、担当の刑事は、「暴行はしていません」「今でも自白は正直に話していると思う」と証言していること、また、2人の青年が、「取調べ室で壁に押さえつけられた」「2人の刑事から、人殺しと大声で責められ立てた」と訴えているのに、担当の刑事は、「逮捕状が出ているから犯人だ」「今でも私は有罪だと思っている」と証言していることです。
これでは、全くの水掛け論ですが、本件では「無罪」が確定しているのに、なお取調官が「白を切る」のは、むしろ「熱心な取調べ」として当局が許しているとしか思えません。
もし取調べ過程が「可視化」(全面的な録音・録画)されてさえいれば、最初から白黒ははっきりするはずです。これがない限り、隠れた冤罪が日々作られて行きますので、まずは一日も早く民主党自身が「可視化」法案を提出することを強く期待したいところです。