最近大学を離れ、論考を公表する機会が少なくなってきました。論文として公表する以外の資料や感想文などを公開する場を持ちたいと考え、このブログを開設しました。


by nakayama_kenichi
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地方公務員の政治活動にも罰則か

 最近の報道では、地方公務員の政治活動にも国家公務員と同様に罰則規定を設けるよう求める動きが自民党の中にあり、プロジェクトチームが改正要綱までまとめたといわれています(朝日2005年4月7日)。
 私は、すでにこの欄で、国家公務員法102条と人事院規則14-7が国家公務員の政治活動の違反行為に対して罰則を規定しているのは問題であることを指摘し、それは地方公務員法に罰則がないのとはアンバランスとなっているが、むしろそれは地方公務員法を制定した当時の国会の方の「良識」を評価すべきであるとしました。
 ところが、今回の自民党内の動きは、国家公務員法と地方公務員法とのアンバランスを、地方公務員法の方を改正して国家公務員法なみにすることによって解消しようとするのです。しかし、これは驚くべき時代錯誤であるといわなければなりません。
 詳しくは、今執筆している論文にゆずりますが、現行の国家公務員法の規定には、その制定時に当時の占領軍当局の強い圧力の下でようやく成立したという歴史的な経緯があるほか、公務員の政治活動に対して「刑罰」を科すという立法例は、他の諸外国ではほとんど見られない異例のものとなっている「国際基準」に逆行するという疑問がつきまとっています。
 資金集めのことが問題であれば、選挙法や政治資金規正法の方で手当てすべきものであって、これを公務員の服務規律の問題と混同すべきではないと思われます。むしろ、うやむやになっている橋本前首相の「ヤミ献金」問題の追及こそ、焦眉の課題であるというべきでしょう(朝日社説2005年4月8日)。
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by nakayama_kenichi | 2005-04-08 15:24