最近大学を離れ、論考を公表する機会が少なくなってきました。論文として公表する以外の資料や感想文などを公開する場を持ちたいと考え、このブログを開設しました。


by nakayama_kenichi
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精神障害者の長期入院

 精神障害者の支援対策も、今回の政権選択の点検項目とされていましたので、今回の選挙でその政権交代が現実化したことを前提として、この問題にも何らかの変化と改善が期待されるところです。しかし、この問題の根は深く、その改善は決して容易なものではありません。
 最大の問題は、精神障害者の長期入院という積年の弊を改めて確認し、その抜本的な減少に向けて着実に第一歩を踏み出すことにあります。長期入院の現状は、諸外国との比較で、以下のようにまとめられています。
 「欧米諸国は80年代半ばから精神障害者が地域で暮らせる環境づくりに力を注ぎ、精神科のベッド数を減らしている。人口千人あたりのベッド数は00年時点で、イタリア0.2、米国0.3。これに対して日本は2.8。フィンランドは80年代に2年以上の長期入院患者の半減を目指し、治療プログラムの改善や、障害の程度に応じた受け入れ施設を整備した。
 厚労省は04年に、35万5千ある精神科ベッドを14年までに7万減らす目標を定めたが、認知症の入院患者も増えたため、07年で35万1千人とほとんど変っていない」(朝日新聞2009年8月26日朝刊)。
 つまり、7万2千人の「社会的入院」(他に行き場所がない人の入院)の削減すらいまだ実現していないのが、日本の精神病院の現実なのです。そして、当の「日本精神科病院協会」自体が、業界の利益のために、入院患者の削減に熱意がなく、自民党や族議員に多額の政治献金をしている実態がすでに衆知の事実となっています。この分野でも、政官業の癒着関係にメスを入れることが緊急に要請されるところですが、同時に、精神障害者に対する世間の根強い偏見から、精神障害者の人権を守るという地道は啓発活動も求められています。
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by nakayama_kenichi | 2009-09-09 11:40