最近大学を離れ、論考を公表する機会が少なくなってきました。論文として公表する以外の資料や感想文などを公開する場を持ちたいと考え、このブログを開設しました。


by nakayama_kenichi
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民主党政権と取調べ可視化

 このブログでも、だいぶ前に、政権交代の場合を想定して、警察・検察での被疑者・被告人の取調べの際の録音・録画制度の実現可能性について指摘したことがありました。そして実際に、今回の選挙で「政権交代」が現実のものとなりましたので、この問題が浮上してくることは必定となってきました。
 この点に関して、選挙翌日の朝日新聞(2009年8月31日夕刊)は、「脱自民 中央官僚 覚悟と期待」と題する記事の中で、国交省などの省庁とともに、法務省もまた、制度改革を迫られているとして、以下のように指摘しているのが目を惹きました。
  「マニフェストに『取調べの録音・録画』を掲げた民主党による政権が確実となり、全過程の録音・録画(全面可視化)を迫られることになった法務省。幹部の間には『国民の意思なら、従うだけ』という冷静な声の一方で、捜査を担う検察には『真相が解明できなくなる』と反対論も根強い。『日本の刑事司法を大きく変える問題。現場の意見も聞いて、改めて慎重に判断してほしい』との声もある。ある幹部は『とにかく新しい大臣の考え次第だ。誰がなるか早く見極めたい』と話した」。
 この点に関しては、民主党がすでに参議院に「取調べ可視化法案」を提出していたという実績をもとに、いかに、そしてどこまで、保守的な法務官僚(および警察官僚)の抵抗を抑えることができるかが注目の的となります。そしてそれは、いわゆる「代用監獄」(被疑者の身柄拘束を「拘置所」ではなく、警察に付属する「留置場」で代用する制度)における、密室での長時間の取調べが冤罪の原因になっていることへの抜本的な改革につながることが期待されているのです。
 
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by nakayama_kenichi | 2009-09-01 20:23