最近大学を離れ、論考を公表する機会が少なくなってきました。論文として公表する以外の資料や感想文などを公開する場を持ちたいと考え、このブログを開設しました。


by nakayama_kenichi
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生命倫理会議の緊急声明

 臓器移植法改正案が今国会で審議入りし、厚生労働委員会で審議もしないまま、本会議で採決される蓋然性が高いといわれています。しかし、そこには重大な危惧があります。
 5月12日に、生命倫理の教育・研究に携わっている大學教員約70人が「緊急声明」を発表し、記者会見もしたというニュースから、その声明のポイントを紹介しておきます。
 1.脳死・移植は、脳死者という他の患者からの臓器提供によってしか成り立たない。
 2.臓器不足が叫ばれるが、脳死移植に見合った脳死者を確保することは不可能である。
 3.A案と同様な米国でも「臓器不足」は解消せず、むしろ生体移植が増えている。
 4.「本人の同意」を不要とすることは、現行法の基本理念を放棄することである。
 5.臓器移植の生着率だけが示されるだけで、肝心の延命効果は明らかではない。
 6.臓器移植に代替する医療を援助し、脳死者が増えないよう努力すべきである。
 7.「脳死=死」が科学的に立証されていない。
 8.現在までの臓器移植にも、法律・ガイドライン違反の疑いが拭いきれない。
 9.「脳死=死」とすれば、少なくない長期脳死者の命が絶たれる。
 10.政府・国会は、少なくとも以上について徹底的に審議し、まず国民に納得のゆく見解を提示する責務がある。また、そもそも、人の生死の問題を多数決に委ねたり、法律の問題にすり替えたりすべきではない。以上。
 私自身も、新たな脳死臨調を設けて、慎重に審議すべきだと考えています。
 (以下の写真は、いずれも近くのびわ湖大津館横の庭園内で撮ったものです)
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by nakayama_kenichi | 2009-05-23 20:33